日本財団 図書館


 

5.5成果

(1)「流場解析的船型計画法」を目指した流場推定法の構築:3年間のSR研究「大型肥大船船尾流場推定法高度化」により要素技術研究、実用化研究、模型試験の3研究を遂行し、これらを総合的に取り纏めて「流場解析的船型計画法」を目指した流場推定法を構築した。
(a)流場推定法開発
NICE法、WISDAM法を核として数値計算法、格子生成法、乱流モデルの改良を積み重ね、
(1)基礎粘性流場推定法
(2)造波粘性流場推定法
(3)自航時粘性流場推定法
の3つの推定法を開発した。
(b)設計への応用法の開発:
上記の推定法を多種類の船型に応用した適応性計算により、粘性流場、伴流、造波、抵抗等の各観点から推定精度を評価するとともに、設計指針に有効な計算情報のポスト処理法を作成して推定法に組み込み、「流場解析的船型計画法」に応用できる流場推定法の構築を行った。
(c)模型試験法開発と検証用データベースの構築:肥大模型船2隻のレイノルズ応力分布の詳細計測を実施、乱流モデルの改良に有効に利用すると共に今後の貴重なCFD検証用データベースを構築した。
(d)CFD要素技術の高度化:将来に向けた要素技術研究として、高次乱流モデル、格子生成法、砕波モデル、可視化情報定量化等の研究を実施し、今後の更なる流暢推定法高度化に備えた。
さらに、本推定法構築を通して得られたCFDのキーテクノロジー(数値計算法、格子生成法、乱流モデル)の研究成果は、今後、本推定法の高度化のみならず他の技術開発の要素技術として有効に役立つ。造船キーテクノロジーの高度化が達成できた。
(2)CFD技術者の成育
本共同研究の分担研究遂行により多数の有能なCFD技術者が成育した。発展途上にあるCFDに基づく方法論の構築には理論/実験/数値解析/設計/電算等多岐にわたる学問・技術と優秀な若い人材の一致団結した研究の推進が必須であり、単独では殆ど達成不可能である。推定法構築に対する一致したニ一ズと計算・実験環境の発展に支えられてSR共同研究の場で効果的に達成できた。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION